広告品評

広告を勝手に品評します。

広告は嘘か魔法かエンタメか

『ユニバーサル広告社』というドラマで、
こんな表現がありました。

 

www.tv-tokyo.co.jp

 

“広告は、魔法だ”

どんなものも、輝かせることができる。
たしかに。

 

“広告なんて、上げ底みたいもんだろ”

さも、すごいもののように見せかけるばかり。
たしかに。

 

そこで、主人公のコピーライターはこんなことを言います。

“広告は、小さな光を輝きに変えるものだ”
と。

 

“自分自身が光ることを諦めた人を、輝かせることはできない”と

たしかに。

(すみません、うろ覚えなので正確なセリフじゃありません)

 

まあそんなこんな、いろいろ広告っぽいセリフがあるのですが
みなさんはどうですかね。

あなたにとって、広告とは……?

 

私は「エンターテインメント」だと考えています。
楽しいものを楽しく表現できればカンタンですが、
シリアスなものを正しく伝えないといけない時もありますよね。
わかってます、わかってます。
でも、ありとあらゆる課題と解決の間に
心を動かす仕掛けだったりアイデアだったり
いわゆるクリエイティブがあると思うんです。

 

そういう意味で、エンターテインメント。
はい、特に大した持論もないので
ここは追求してもらわなくてOKでございます。

 

重要なのはここから。

 

誤解を招く表現は、規制の対象になる
ということ。

企業だと粉飾決済とかあるじゃないですか。
「さもお金を儲けて良い感じに見せて、
投資家からたくさんのお金を集めるのは」ダメみたいな。

似たようなことで、広告表現では
「すごすぎる」ことをしちゃいけないんですね。

洗剤とかマウスウォッシュとかによくある
「あえてちょっと汚れを残す」とかもそう。

 

そこで、新しくこんなルールができたそうです。
「ビフォー・アフター」原則禁止に=美容医療トラブルで広告規制―厚労省方針

headlines.yahoo.co.jp

 

こんな投稿もありましたね。

 

 

これが真実かどうかは確認しようもないのですが、
可能性として「こういうこともありえるので
やめましょうね」という通達ですね。

 

個人的に、規制規制ばっかりだと良いものができないと思いますが
人を惑わせないためのルールは必要かなと。

 

なぜなら広告は、エンターテインメントだから(きらーん)。

【OLYMPUS】CMの設定は実在の人物を考えよう

youtu.be

 

「かわいい子には、旅を。」というキャッチが入っていますが
宮﨑あおいはもう32歳です。
というか、結婚も離婚も経験した
立派な大人の女性です。

 

たしかに見た目は年齢よりもずっと若く、
親から大事にされるお嬢さんというイメージかもしれませんが
実際の人物を考慮するとミスマッチ感は否めません。

 

たぶんあれですよね、OLYMPUSのCMにずっと出てるので
契約とかそういう都合があったのでしょう。

 

そしてそもそも、このCMでは
「飛行機の検査器具にもOLYMPUS製のものが使われているので
飛行機を選ぶ時にはOLYMPUS製の器具で検査したものにしましょうねー」
てことが言いたいんでしょうか。

 

すみません、飛行機乗ったことないのでわからんのですが
それ、僕らにできるんですかね……?

 

なんだかいろんなところで、ピントがズレてるように感じるCMでした。

【ストンピィ】俺の甲子園は、インサイドぎりぎりなのか?

こちらのバナーをご覧ください。

 

アフィリエイトとかリンクじゃないので、ご安心を)

     f:id:koukokuhinpyou:20171024073322p:plain

「俺の甲子園」という、オンラインゲームです。
僕はやったことないので、ゴチャゴチャ言う筋合いはありません。
「ただ、何このバナー!?」
となりました。

 

だって、マニアックすぎないですか。

 

ピッチャーが全力投球してるとことか
バッターがホームランかっとばしてるとことか、
野球にはエキサイティングなシーンがいっぱいあります。

 

それが、なぜ、よりによってこの
「インサイドの球を避ける」みたいな
ぜんぜんカッコよくない瞬間を捉えたんでしょう……?

 

ウェブサイトのバナーなんて、そもそもクリックされることが少ない仕掛けです。
ビジュアルやコピーを見て、おもしろそう(興味がありそう)か判断されるのは
ほんの一瞬の勝負。

 

そこにあえて、このシーンを持ってきたことこそが、
このゲームの世界観を表現している
……のかな?

【タケダ】わざとらしいセリフに残念

早速ですが、今回観ていただきたいのはこちら。

youtu.be

 

以下、書き起こしです。

男「ビタミンB1誘導体、フルスルチアミン……?」
男「ビタミンB1より吸収されやすいんだあ」
NA「今、乗り越えたい疲れに、V!」
男「はいったー」
NA「アリナミン、V!」
男「だよな!」

 

率直に言って、めちゃくちゃわざとらしい……。
通勤中と思われる男が急に立ち止まって、デカい声で独り言。こわいわ。

さて、ちがうバージョンはちょっと物議をかもしているようです。

 

youtu.be

 

 

広告を扱う時に気をつけなければいけないことは、いくつかあります。
その中でもデリケートなのが、薬事法

 

ものすごく乱暴に言うと、「治る」とか断定できないんですよね。
「治らなかったじゃないか!」なんてクレームが来るのでしょう。

 

通販のCMでも「これのおかげで、だいぶ良くなりました」みたいなこと言いながら
画面のはじっこに
「※個人の感想です」
とあるのも同じこと。

 

最近、歯磨きとか食器用洗剤でも
あえて汚れが残ってるのあるじゃないですか。
あれも、「ぜんぶキレイになる!」と思われるとダメ。
ちょびっとでも汚れが残っていると、信用を損なってしまうわけです。

 

そこで、こんな記事を見つけました。

drugstore.hatenablog.com

 

 

そういう意味でも、このアリナミン
いろいろグレーなクリエイティブなのかもしれませんね……。

【𠮷川質店】コピーが持つリズム感

良いコピーの条件とは何でしょうか。
コピーライティングについて学べる「宣伝会議」のある講座では

「何を言うか」と「どう言うか」が大事。

と教わりました。
概ね、正解だと感じます。

 

そして、ほかにも良いコピーの要素はたくさん挙げられるでしょう。

  • 短い
  • インパク
  • ユーモア
  • 想像力
  • ジャンプ力
  • リアリティ
  • 直感的

などなど。

今回はその中の一つである、リズム感についてご紹介します。

 

日本人というか、日本語には
読みやすくて心地よい独特のリズムがあるのです。

 

代表的なのが、俳句(川柳)の5・7・5。
短歌の7・7を入れても良いでしょう。
ネーミングに関しては、4文字が好まれるということもありますね。

 

上記の文字数に限らず、CMや動画などでコピーが「読まれる」場合は
きちんとこのリズムを大切に考えます。
要するに、コピーの内容とはまったく別の軸で
聞いた時の響きや余韻が心地よいかどうかに注意を働かせるのです。

 

人は文字を認識した後で無意識に発音し、
「読む」というアクションをしている人が多くいます。

つまり、ポスターや看板などのグラフィックにおいても
コピーはやはりリズム感が重要。

 

 

すみません、前置きが長くなりました。
ではこちらをご覧ください。

f:id:koukokuhinpyou:20171018005926j:plain

 

知り合いに
頭を下げて借りるより
いつでも気軽に
𠮷川質店

 

これはですね、こう言っちゃあアレですけど
ボーッとしてたら目に入らないタイプの広告なんですよ。
まず、ブルーを基調とした落ち着いた配色なので
目に飛び込んでこない。
目立つアイコンやグラフィック、つまりビジュアル的なおもしろさがないので
印象に残らない。
そして、文字が多いので、地味。
さらに、文字の中でもキャッチフレーズっぽい
ポジティブでキラキラとした、いわゆるキラーワード(殺し文句)がなく、
事務的でおもしろくない。

 

そんなマイナスポイントばかりで
いかにもお堅い、伝統的な質屋さんだなと思ってしまうのも致し方ありません。

 

しかし、ふと文字を読んでみてると
「知り合いに
頭を下げて借りるより
いつでも気軽に……」

が認識されます。

そしてこれは、5・7・5・7(厳密には8)という
短歌のようなリズム。
それに気付いた時にはもう遅く、
無意識に「あと7文字欲しい!」という枯渇感が生まれます。

 

そこで、広告全体をひと通り眺めて
「𠮷川質店(7文字)」という
心地よいフィニッシュを迎えられる、
そんなメカニズムになっているのです。

つまり、全体的に地味であえて目立たないデザインはカモフラージュ。
その上でコピーの不完全性、認知的不協和的(要は無意識のモヤモヤを解消したい思い)を仕掛けて、広告としてのインプレッション、強い印象を与えようとしているのではないか、という仮説ができました。

 

これを意図的に設計しているのだとしたら
なかなかのテクニシャン……!

 

ただ一つ、残念に思うのは
サイトを見ると「吉川質店」になっているんですね。

www.yoshikawa-shoji.jp

 

「𠮷川」と「吉川」程度の表記ゆれに注意するのは
ライティングの基本です。

 

それを考えると、コピーライターとしては大減点なので
ただの偶然かなと思ってしまいます。
(まあ、サイト制と看板の制作者が同じとは限らないという実情もありますし)

 

……ですが、広告制作物のそのような背景を考えてニヤニヤできるのも
一つの楽しみと言えるのではないでしょうか。

【三菱東京UFJ銀行】見やすいって信頼できる

雑誌『週刊東洋経済(2017年10月7日号)』に
こんな特集がありました。

「大学生が選ぶ就職ブランドランキング300」

 

f:id:koukokuhinpyou:20171018002128p:plain

 

こちらによると、1位がみずほ銀行UFJ銀行が3位です。

たまたま両方の口座を持っているので、
オンライン明細を比べてみましょう。

 

みずほ

f:id:koukokuhinpyou:20171018002200p:plain

 

UFJ

f:id:koukokuhinpyou:20171018002233p:plain

 

いかがでしょうか。
私は断然、UFJの方が使いやすく感じます。

 

たしかにみずほの方がコンパクトで良いと思う人もいるでしょう。
しかし、なんというか
ただエクセルでつくった味気ない表みたいな
そんな印象を抱きました。

 

同じ表でも文字の大きさや強弱といったレイアウトを工夫することで
視認性はグッと上がります。 

そう考えると、UFJの方が文字を大きく見せていて読みやすいほか、
必要な情報が一つの画面に見やすくまとまっていて
ストレスが少ないんですよね。
何より、お金を出し入れした後の残高が
きちんと毎回表示されるのがうれしい。

 

というのも、家計簿をつける時に
数字が合ってるか確かめにくくないですかね。
例えば、1週間前に引き落とした時の残高がわからないので
自分で計算する手間が出てきてしまうのです。

 

そういう意味で、きちんとユーザー目線に立っているのは
UFJだと言えます。

 

ブランドイメージは、顧客満足度知名度に左右されるのは当然ですが
こうした日常的なコミュニケーションによって積み上げられるものです。

 

そういう意味で、UFJが逆転する余地は大いにあると感じるので
見守っていきたいところ。

 

おっと、そういえばUFJといえば
過去にこんな記事を載せていました。

 

koukokuhinpyou.hatenablog.com

 

銀行のクリエイティブは、まだまだ発展途上なのかもしれませんね。

フィンテックの台頭など、今後さらに成長が期待できるので

新しいトレンドが生まれてもおもしろそうです。

【三栄建築設計】そこCGじゃいかんでしょ

僕は、広告の注釈とか※がキライです。
よくあるのは
「実際の商品とは異なります」
とか
「こちらは商品のイメージです」
とか。

 

記憶を遡ると、小学生の頃まで戻ります。
部活をやっていたのですが、スパイク(靴)がボロボロになっていました。
あまりリッチな家庭でなく、おこづかいもカツカツ。
そこでたまたま、スポーツ用品店のセールをやっていたのです。

 

めっちゃ安く買える!やっほい!
と思って店に行くのですが、見当たりません。
チラシを持参していたので、店員さんに聞きます。
そして持ってきてもらったのは、全然ちがうスパイク。

 

これと

https://www.sportsauthority.jp/ec/shared/pc_auth/images/staff-plan/baseball/baseball_01/sfpl_baseball01_img_03.png

 

これぐらい違う。

https://www.sportsauthority.jp/ec/shared/pc_auth/images/staff-plan/baseball/baseball_01/sfpl_baseball01_img_11.png

画像は二つともこちらからお借りしました。

野球編 その1 シューズの種類(スタッフプラン)|スポーツ用品通販のスポーツオーソリティ

 

同じ野球のスパイクでも、
そして同じデザインでも、
全然ちがうんですよね。

たしか当時は、金属(画像上)のは
人工芝のに使えないとかで
結局買わなかったんです。

 

しぶしぶ帰宅。
そして、スパイクが買えなかったことを
親に言ったら、こうです。

「あ、ほら。ここに
”こちらの商品はイメージです”て書いてあるじゃん。
はは」と。

 

 

それ以来ですね、注釈とか※がキライになりました。

長々とすみません。

では、ご覧いただけるでしょうか。

 

 

CM紹介 | 三栄建築設計|メルディアグループ|MELDIA GROUP

 

今回のCMについては、その最たる例と言えます。

 

 

f:id:koukokuhinpyou:20171010160533p:plain

 

f:id:koukokuhinpyou:20171010160556p:plain

 

「同じ家は、つくらない。」
なんてカッコイイこというならば、
CGを使ったらダメでしょ。

 

パネ写、フォトショマジック、自撮りなどなど
パソコン使えば何だってできる現代ですよ。

 

そこをアピールしたいなら、リアルな家で勝負しないと!