広告品評

広告を勝手に品評します。

【Yahoo!乗り換え案内】画面がもったいないわ

このブログは、コピーライターとして
広告のクリエイティブにあれこれ言うものです。

 

今回取り上げるのは、Yahoo!が提供している乗り換え案内のアプリ。
僕はグラフィックデザイナーではありませんが
さすがにこれは引っかかる。

 

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画面のほぼ半分がムダじゃないですか!

もちろん、経路を入力したら
このスペースに案内が出るわけですが
画面を切り替えたら良いだけの話。

ボタン小さくて押しづらいよ!

 

こちらはiPad版なので、ほかの端末ではちがうのでしょうか。

とはいえ、電車の乗り換えを調べる時には重宝しているので
うまいこと改善を望みます。

 

デザイナーの勉強をされてる皆様には
グラフィックの上手下手はもちろんですが、
いわゆるUI・UX(見やすさ、使いやすさ)も
大切にしてください。

【イーデザイン損保】その情報、いる?

「♪東京海上グループ
イーデザイン損保

というフレーズを耳にするたび、

ひとつも日常に接する機会がない単語だと感じる。

まあ、それは良いとしてCMの話です。

織田裕二氏と土屋太鳳ちゃんが出てるあのCM。

 

www.edsp.co.jp

 

CM自体についてどうこういうつもりはないんですが、
いちばん気になるのがコレ。

 

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名前が設定してあるけど、別に劇中で呼ぶわけでもないし
いるかなあ……。

もちろん、CMの人物に名前を付けるのは珍しくありません。
設定として考えておくに越したことはないですが
あくまで裏設定で十分。

CMという短い時間の中で、できるだけ質の良い情報を発信しなければならない時に
この名前を伝えることにどれだけ意義があるかは疑問です。

 

おおかた、安西優実は「安心」とか「優しい」というイメージだろうし
真島誠司は「真面目」とか「誠実」でしょ。

なんというか、わざとらしい。

とはいえ、これはあくまで現時点の話です。

 

長期的な視点で広告をつくれる場合は、
「登場期」「実売期」「セール期」のように
段階的なテーマがあります。

これはあくまで登場期、つまり紹介レベルにすぎないのかもしれません。
今後、役名を活かして何かドラマが始まるのかも!

ということで、期待しております。

【MINTIA】綾野剛がポンコツ扱いでかわいそう

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(公式サイトより)

 

前回は、横文字使えばカッコいいのかよ問題について触れました。
その流れで今回、こちらのCMをご紹介します。

youtu.be

さて、綾野剛扮する若手社員と思われる人が
会議で飛び交うカタカナ用語に困惑するという設定ですね。

出てきた用語は
【コンバージョン】
【アグリー】
イノベーション
サードパーティ
の4つです。

 

え……

 

ぜんぜん難しくないよ!

 

そりゃITとかウェブ関係じゃない人にとっては
ちんぷんかんぷんかもしれない。
でも、そういう会社で働いてれば、ふつーに使う言葉です。

 

新人だか若手だか知らないけど、
これぐらいの用語を知らないのは
勉強不足と言わざるを得ません。

 

綾野剛が「この会社のミーティングに来た専門外の人」
ていうキャラをちゃんと描かないと、
ただのビジネスマンとしてポンコツとして思われてしまう。

 

広告制作において、
一般の人にもわかるように
というスタンスでつくるのは大事だけど
専門の人に笑われないように
という目線も忘れてはいけない、という事例でした。

 

まー、ポンコツっぷりを難なく演じる綾野剛は立派です。

あと関係ないけど、最初に「コンバージョン」て言う人は
『ゆとりですがなにか』で岡田くんのお兄ちゃんの人だよね?

http://koimousagi.com/wp-content/uploads/2016/04/takahasiyou-e1461259118705.jpg

高橋洋 (俳優) - Wikipedia

 

良い仕事してらっしゃる……!

【ビーバートザン】横文字使えばカッコいい典型

http://2.bp.blogspot.com/-uDHcB6ADo7A/U9zB2bVjoII/AAAAAAAAjow/0aBxCVoN1J4/s800/nichiyoudaiku.png

社会人のみなさん。
「バッファ」やら「エビデンス」やら「コンセンサス」やら
流行りの横文字を調子乗って多用してませんか。

まあ、カッコよさげな印象を与えられるのは事実ですよね。
例えば、求人で「営業」というよりも
「アカウント・エグゼクティブ」といった方がすごそう。
単純に「調べる」という言葉も「リサーチする」といった方が
広く深く情報収集してる感を与えられそうな気がするのはわかります。

そういう意味で、やっぱり横文字はすごい。
広告は基本的に「誰も見ない」前提でつくられるので、
直感的にわかりやすく、そして何か印象づけたもん勝ちな部分もあるわけです。

前置きが長くならないうちに……
今回、ご紹介するのがこちら。

BEVAERTOZANという、ホームセンターの取り組みです。

 

sundays-craftclub.com

 

「日曜大工」という昭和のおっさん臭すらする言葉を
「SUNDAYS CRAFT CLUB(サンデーズクラフト)」という横文字で
スタイリッシュに生まれ変わらせました。

「趣味はなんですか?」
「サンデーズクラフトです」
とか、いってもなんか「お、おお(トキメキ)!」てなりませんか。

個人的にはヘタな横文字化は推奨しないのですが、
今回は成功例として取り上げさせていただきました。

なんだかもう、「BEVAERTOZAN(ビーバートザン)」すらカッコよく思えてきた……!

【シェアジャパン】何を言ってるかわからない、という賭け

あらかじめ断っておきますが、当ブログはあくまで「広告品評」であり
取り上げる企業・商品・サービスなどの対象について
批判するものではありません。

 

……という大前提を掲げてから、今回の品評に入ります。

 

では早速、こちらをご覧ください。

 

http://sharejapan.org/wp-content/uploads/2017/02/lec2017omote.png

 

「桁外れの時代に突入した」

というキャッチが入っていますが、
反射的に「……何の?」と思ってしまいます。

 

情報が桁外れ、お金が桁外れ、価値が桁外れ、
愛が、夢が、驚きが、楽しさがなどなど
なんでも当てはまりそうです。

もはやポジティブなのかネガティブなのかすらわかりませんね。


あらゆる意味を含めて、あえて抽象的に表現する手法も確かにあります。
しかし、大手企業やベストセラー商品ならまだしも
よくわからない団体の講演会です。

 

広告の中でもまず人の目を引くのは
ビジュアルですよね。
どこでどんな人が何をやっているのだろう、という
視覚情報から注意を引きます。

その次に、書かれている文字情報から
内容を判別します。

この本件のポスターや広告物を見る限り、
特にインパクトのあるビジュアルはありません。
つまり、人々の目を引く要素がこの
「桁外れの時代〜〜」
なのです。

 

ますます疑問ですね。
何が桁外れなのか。

 

 

ただ、先ほどの話と矛盾するようで恐縮ですが
近年のコピーの世界は、あえて普通の単語を
記憶に定着させるというテクニックもあります。

例に挙げやすいのは、サッカー日本代表
「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」
でしょう。
(正確にはテレ朝かな?)

 

これも初めて見た時は
「何言ってんだ?」て感じでしたが、
何年もリピートされるうちに
ジワジワ浸透してきましたね。

 

というように、長年使い続ける覚悟というか
耐久性を持ったキャッチでないと
なかなか厳しいものがあります。

 

実際、こちらの団体、私はよく存じ上げません。
誰が、何を、何のためにしているのかも不明です。

ただ、キャッチコピーだけで判断するとしたら、
「よくわかんない団体」というのが本音。

 

しかし、この「よくわかんないキャッチ」を
数年掲げていくのであれば
おそらく近い将来、「桁外れ」=「この団体」と
インプットされるでしょう。

 

当たればかなりのロングランフレーズになる可能性はありますが、
わけわからん、と一蹴される懸念も多いので
まさに賭けです。

 

しばし、動向を見守って参ります。

【任天堂】Nintendo Switchのモーションロゴが気持ち良すぎる

見ていて気持ち良い動きってあるじゃないですか。
正確無比な機械の動きとか、ダイナミックなスポーツの好プレー集とか、日常生活にもいろいろありますよね。

思うに、「きっちりハマるもの」って気持ち良いんですよ。

しかもそれが、動いているものだとなおさら。

何と言うんでしょうか。
自然法則の下でしか制御されない運動エネルギーを持つ物体が
人間の営みに応えるために本来あるべき場所へ収束していくというか。
意思を持たない無機物が予定調和の如く……
何言ってるんでしょうね。

まあ、能書きは良いのでコレを見てください

youtu.be

 

この動き、めっちゃ気持ち良くないですか。

これを提案した人も、つくった人もすごい。
きっとピクセル単位、ミリ単位、コンマ1秒単位の試行錯誤があったことでしょう。

直感的にわかる気持ち良さ、って大事。

そういうところを大事にしてる任天堂もすごい。

商品にしても、サービスにしても、企画にしても何でも、
人間活動の根本には「人間を気持ち良くする」という
作用が大切だね。

【ハーゲンダッツ】中条あやみがカワイイので良しとする

ハーゲンダッツ=ご褒美アイス
という人も多いのではないだろうか。 

特に若い人はそうかもしれないね。
事実、僕も20代の頃はそうだった。

ちょっと前に公正取引委員会の指摘をくらっていたのも記憶に新しいところ。
何でも「独占禁止法に違反している」らしかったけど、
ブランドに大きな傷がつくことなく、
いまだに贅沢なアイスというポジションを確立させているのは
企業努力の賜物と言えるかもしれない。

 

そんなハーゲンダッツのCMを観てみよう。

 

youtu.be

 

CMは短い。
たったの15秒で商品やサービス、ブランドを
正しくおもしろくアピールしなければならないから
過酷な世界だ。 

ぼんやり観ていると、記憶に残っているのは
「何のCMか」「誰が出ていたか」「どの会社か」程度だろう。

短時間でいかに好印象を与えられるか、というスプリント競技なので
いちいち細かい所をツッコむのは野暮かもしれない。

でも、でも言わせてくれ。

 

アイスが……

 

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6個から……

 

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ん……?

 

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スクショだから画像粗いのに中条あやみカワイイ……
じゃなくて……

 

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めっちゃ増えとるーー!

 

まあ、ほかの人からも差し入れしてもらったとか解釈はあるでしょうね。

でも、それならわざわざ一人からもらう必然性はなくなる。

そんな感じで、ほかのアイスメーカーだったら、ネガティブなイメージを抱いたことだろう。

 

しかし、ハーゲンダッツだから、理解できる。

 

というより、本音を言えば、


中条あやみだから、許せる。

 

女優っていうのは、ただの人ではありません。

その人が持つ、「キャラクター」「イメージ」「好感度」もろもろが
商品や企業とマッチすると、飛躍的な効果をもたらすのだ。

 

それが今回のCMのすごいところ。
ちょっとしたツッコミどころに怯むことなく、
若々しさと美貌で正解にしてしまう魅力。

 

長くなってしまった。。。
とにかく、「女優が良ければ全部OK」という
なかなかレアなケースのCMだ。