広告品評

広告を勝手に品評します。

【ガスト】メニューの表記における戦略的ミスか

ファミレス大好き。
なかでもガストは近くにあるので、よく行きます。

そこでふと見つけた誤字。

 

f:id:koukokuhinpyou:20170607074837j:plain

 

わかりますかね。
拡大したのもあります。

 

f:id:koukokuhinpyou:20170607074913j:plain

 

一見、問題なさそうですが
「づつ」は正確に書くと「ずつ」とされています。

 

matome.naver.jp

 

プロのライターか否か、一発でわかる文章表記が
「下さい」と「頂きます」です。
これらを漢字で書くかひらがなで書くかで
意味は大きく変わるのですが、
一般的には知られていないのです。

 

それに比べれば、この「ずつ/づつ」問題はメジャーではありません。
正確ではない、というのが一般的な解釈と言えます。

 

しかし、ただその人為的ミスを指摘するほど
このブログは意地悪じゃありません。

 

考えられるパターンが、下記3つあるからです。

 

1.アマチュアが書いた
2.プロが書いたけど、気付かなかった
3.プロがあえて書いた

 

1.アマチュアが書いた

1.は別に全然良いです。
プロの目で、広告物として評価するなら「はい、やり直し」で済む話ですが
これを見るのはファミリー層です。
そういう細かいことにいちいち目くじら立てる人は別に良いのです。
つまり、広告物に余計なコストをかけるぐらいなら
自社でできるところはなんとかやって、そのコスト削減分は
商品価格も抑えよう、みたいな。
BtoC企業としてあるべき顧客志向、お客さん想いの経営理念がうかがえます。

 

2.プロが書いたけど、気付かなかった

広告制作は、お金をかけようと思えばキリがなく
こういったメニュー表をつくるだけでもだいたい20〜50万。
下手すりゃ100万かかることもあるでしょう。

ただ、制作会社としては
こういう案件は別においしいわけじゃないんです。
よくある話だし、特に難易度が高いわけでなく、
それでいてクリエイティブが求められるものでもない。

とはいえ納期は絶対なので
タイトなスケジュールになることもしばしば。
だからつい、制作(ライター、ディレクター)が誤字を見逃して
制作が提出してるんだから大丈夫だろうと営業が納品して
ガスト担当者も制作会社がつくったんだからそうなんだろうと受領して。

て感じで疑うことなく世に出ることは珍しくありません。
そんなケースです。
もう、ある意味で同情。

 

3.プロがあえて書いた

3.だとなかなかハイレベル。
ここからのさらにパターン化してみていきましょう。
まず、志の低いクリエイターの場合です。
関係者全員「間違ってるけどいいや」つってそのまま行くパターン。

そして、理不尽なクライアントに向けた抗議の場合も。
上述の通り、タイトなスケジュールと数度に及ぶリテイク、
理不尽な修正指示に相場以下の安い報酬。
まさに非人道的な案件です。

ある意味、あえて事故(トラブル)を起こし
依頼を切られようとする場合。
心中というか覚悟というか、やけくそです。
まあ、社会人の対応ではありませんが。

 

さらに、あえて「づつ」という誤字にして
「間違ってるぜこいつひひひ」と
他人を見下すことに快感を覚えるタイプの人の自己肯定感を満たしてあげたいとか。

 

ある企業は親しみやすさ(悪く言えば、安っぽさ)を演出するために、あえてダサいデザインや表現をすることもあります。

 

「広告費つかってねーなー、安いレストランだぜ」
みたいに思わせたい人とか
こういった指摘を炎上案件として
注目させる狙いがあった可能性もなきにしもあらず。

 

さて、長々とみてきましたが
今回はどのパターンに当たるのでしょうね。

 

ただの誤字とはいえ、クライアント・制作物・ターゲットなどを考えてみると
いろいろな解釈ができるかもよ、というお話です。

 

ではでは。
ガストには引き続きお世話になるので
よろしくお願いします。