広告品評

広告を勝手に品評します。

【ハーゲンダッツ】中条あやみがカワイイので良しとする

ハーゲンダッツ=ご褒美アイス
という人も多いのではないだろうか。 

特に若い人はそうかもしれないね。
事実、僕も20代の頃はそうだった。

ちょっと前に公正取引委員会の指摘をくらっていたのも記憶に新しいところ。
何でも「独占禁止法に違反している」らしかったけど、
ブランドに大きな傷がつくことなく、
いまだに贅沢なアイスというポジションを確立させているのは
企業努力の賜物と言えるかもしれない。

 

そんなハーゲンダッツのCMを観てみよう。

 

youtu.be

 

CMは短い。
たったの15秒で商品やサービス、ブランドを
正しくおもしろくアピールしなければならないから
過酷な世界だ。 

ぼんやり観ていると、記憶に残っているのは
「何のCMか」「誰が出ていたか」「どの会社か」程度だろう。

短時間でいかに好印象を与えられるか、というスプリント競技なので
いちいち細かい所をツッコむのは野暮かもしれない。

でも、でも言わせてくれ。

 

アイスが……

 

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6個から……

 

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ん……?

 

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スクショだから画像粗いのに中条あやみカワイイ……
じゃなくて……

 

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めっちゃ増えとるーー!

 

まあ、ほかの人からも差し入れしてもらったとか解釈はあるでしょうね。

でも、それならわざわざ一人からもらう必然性はなくなる。

そんな感じで、ほかのアイスメーカーだったら、ネガティブなイメージを抱いたことだろう。

 

しかし、ハーゲンダッツだから、理解できる。

 

というより、本音を言えば、


中条あやみだから、許せる。

 

女優っていうのは、ただの人ではありません。

その人が持つ、「キャラクター」「イメージ」「好感度」もろもろが
商品や企業とマッチすると、飛躍的な効果をもたらすのだ。

 

それが今回のCMのすごいところ。
ちょっとしたツッコミどころに怯むことなく、
若々しさと美貌で正解にしてしまう魅力。

 

長くなってしまった。。。
とにかく、「女優が良ければ全部OK」という
なかなかレアなケースのCMだ。

【ガスト】メニューの表記における戦略的ミスか

ファミレス大好き。
なかでもガストは近くにあるので、よく行きます。

そこでふと見つけた誤字。

 

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わかりますかね。
拡大したのもあります。

 

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一見、問題なさそうですが
「づつ」は正確に書くと「ずつ」とされています。

 

matome.naver.jp

 

プロのライターか否か、一発でわかる文章表記が
「下さい」と「頂きます」です。
これらを漢字で書くかひらがなで書くかで
意味は大きく変わるのですが、
一般的には知られていないのです。

 

それに比べれば、この「ずつ/づつ」問題はメジャーではありません。
正確ではない、というのが一般的な解釈と言えます。

 

しかし、ただその人為的ミスを指摘するほど
このブログは意地悪じゃありません。

 

考えられるパターンが、下記3つあるからです。

 

1.アマチュアが書いた
2.プロが書いたけど、気付かなかった
3.プロがあえて書いた

 

1.アマチュアが書いた

1.は別に全然良いです。
プロの目で、広告物として評価するなら「はい、やり直し」で済む話ですが
これを見るのはファミリー層です。
そういう細かいことにいちいち目くじら立てる人は別に良いのです。
つまり、広告物に余計なコストをかけるぐらいなら
自社でできるところはなんとかやって、そのコスト削減分は
商品価格も抑えよう、みたいな。
BtoC企業としてあるべき顧客志向、お客さん想いの経営理念がうかがえます。

 

2.プロが書いたけど、気付かなかった

広告制作は、お金をかけようと思えばキリがなく
こういったメニュー表をつくるだけでもだいたい20〜50万。
下手すりゃ100万かかることもあるでしょう。

ただ、制作会社としては
こういう案件は別においしいわけじゃないんです。
よくある話だし、特に難易度が高いわけでなく、
それでいてクリエイティブが求められるものでもない。

とはいえ納期は絶対なので
タイトなスケジュールになることもしばしば。
だからつい、制作(ライター、ディレクター)が誤字を見逃して
制作が提出してるんだから大丈夫だろうと営業が納品して
ガスト担当者も制作会社がつくったんだからそうなんだろうと受領して。

て感じで疑うことなく世に出ることは珍しくありません。
そんなケースです。
もう、ある意味で同情。

 

3.プロがあえて書いた

3.だとなかなかハイレベル。
ここからのさらにパターン化してみていきましょう。
まず、志の低いクリエイターの場合です。
関係者全員「間違ってるけどいいや」つってそのまま行くパターン。

そして、理不尽なクライアントに向けた抗議の場合も。
上述の通り、タイトなスケジュールと数度に及ぶリテイク、
理不尽な修正指示に相場以下の安い報酬。
まさに非人道的な案件です。

ある意味、あえて事故(トラブル)を起こし
依頼を切られようとする場合。
心中というか覚悟というか、やけくそです。
まあ、社会人の対応ではありませんが。

 

さらに、あえて「づつ」という誤字にして
「間違ってるぜこいつひひひ」と
他人を見下すことに快感を覚えるタイプの人の自己肯定感を満たしてあげたいとか。

 

ある企業は親しみやすさ(悪く言えば、安っぽさ)を演出するために、あえてダサいデザインや表現をすることもあります。

 

「広告費つかってねーなー、安いレストランだぜ」
みたいに思わせたい人とか
こういった指摘を炎上案件として
注目させる狙いがあった可能性もなきにしもあらず。

 

さて、長々とみてきましたが
今回はどのパターンに当たるのでしょうね。

 

ただの誤字とはいえ、クライアント・制作物・ターゲットなどを考えてみると
いろいろな解釈ができるかもよ、というお話です。

 

ではでは。
ガストには引き続きお世話になるので
よろしくお願いします。

【パナソニック】衣類スチーマー(車内ビジョン)はムダな一言でがっかり

youtu.be

 

以下、書き起こし

アラーム音。
男、起床。
メガネをかけて時計を見る。
「……やべ!」
シャツを見る。
アイロンをスチームアイロンをかける。
(ここまで、画面はシャツのようにシワがかかっている状態。
アイロンをかけるときれいになっていく)
NAこれからのシワ取りは、ハンガーにかけたまま。

連続スチームで、ニオイまで取れる。
パナソニック。衣類スチーマー。

ロゴ

 
これ、結構良い表現ですよね。
シワのかかった画面がアテンション(注意を引く工夫)になっていて、インパクトがある。
それをアイロンできれいになる快感を疑似体験できて
画面がクリアになる安心感も得られる。

ライフスタイルの設定や音楽もカッコいいし。

 

そこで高評価を下したいところだったんですが、
電車でこのCMを観た時は失望しました。
(残念ながら動画のデータは見当たらず。。。)

 

車内ビジョンは音声が入らないので、字幕が入るんです。
そこで、シャツを見た時に、あろうことか

「あちゃー、シワシワ……」

みたいなことをつぶやくんですよ。

テレビCM版にはないですよね、このセリフ。

だってまったく意味がないもの。

そもそも、そのシャツをハンガーに掛けてる時点でシワシワなことには気付くでしょ。

 

こういうわざとらしさは、冷めると同時に嫌悪感をもたらします。

というか、このCMは字幕を必要としない上手な設計なので
極論を言えば字幕対応も不要なはず。

 

音声なしでもわかるように配慮したつもりが
かえって作品の完成度を下げてしまっているというね。

 

このガッカリ感(=シワ)もきれいにしてくれるような、
次の衣類スチーマーのCMに期待します!

母の日は照れくさいから、これぐらいがちょうど良かったりもする

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「母の日遅れてごめんねSALE」

母の日って、何をプレゼントしたらいいかわかんないから
結局、何も用意せずうだうだしてて
「やべー、何も思い浮かばねー!でもカーネーションはベタだからなんかなー!!」
て人にぴったり。

 

ぶっきらぼうに「なんか安かったから」とか言って渡すシャイな男の姿が目に浮かぶ。

 

今でこそ女子力高い男子が増えてるけど、プレゼントって慣れてないと難しいし、ていうかそもそも照れるから苦手なんだよね。

 

そういう男子の本音をカバーしてくれる、この戦略。

 

カッコよく言えば、メンズのインサイトをよくリサーチしてるというか。

とってもナイスです。

 

ていうか光めっちゃ反射してるね。ごめん。

店頭でパッと撮ったから適当になっちゃった。